マチカラマチへ

by 五味 洋子

夏はインプットの季節。今年もいろいろな場所へ。
その中で感じたことを少しだけメモ。
◎人間らしさ

ずっと行って見たかった鹿児島のgood neighbors jamboriへ
評判通りのちょうどいい、素晴らしいイベントでした。その中でも1番心に残っているのはしょうぶ学園のパフォーマンス。
どう見られたいとか、どう思われたいとかそんな煩悩のようなものはない、彼らのまっすぐでとてもピュアな音色に射抜かれました。

◎余白があること

鹿児島は地元の友人に案内してもらって、頴娃(えい)という街へ。
そこでは、おこそ会という地元のNPOの人たちが行っているまちづくりの話しを聞きました。持ち主がもう不要となった空き家をNPOのみんなで再生し、その場所は今では民泊の受付や地域のヒトや外のひとが交わる場となっていました。何か目的があって、場をつくることも大切だけど、場をつくって、そこからコンテンツが生まれていく余白感がとてもいいなと。しかもその活動は地元のおじさんたちが中心になっていて、そのしたに地域おこし協力隊がいるっているのもよかったな。

◎暮らしを考えること

働き方研究家の西村さんの著書「なんのための仕事?」を読んでからずっと憧れていたエフスタイル。商品の製造以外のことを全て行うお二人、作り手さんと二人三脚、真摯に丁寧にものづくりを伝えていく姿、そしてお二人が世に送り出すプラダクトがとても素敵でファンに。なのでずっとずっと新潟のお店にいくのが夢でした。念願のエフスタイルはとても気持ちのよい空間で、心地よい暮らしが凝縮された空間でした。この前みた映画、人生フルーツの「家は暮らしの宝石箱でなくてはならない。」という言葉がここでループする。

◎愛着をもつこと
皆で買い物しているなかで、友人がパンツを買うか悩んでいた。
買わないの?と尋ねたら、
このパンツまで大事に愛せる自信が今はない。と。
新たなパンツを迎えるには、今あるものを手放さないとならないと。
私はそんなに1つ1つのものに愛着が持てていないな。もういい年だし、身の回りのもの、身なりにもっと愛着と意味を持ちたい。

◎まちの音

新潟は、燕市と三条市へ。ものづくりのまちということで幾つか工場めぐりも。金物の工場には、大きなプレス機械があり、ドーーン、ドーーンという大きな音が響きわたる。金を槌で打ち起こしながら器を作っていく鎚起銅器の現場では。カンカンカンとリズミカルに銅を打ち付ける音が。
わたしの身近にあるのは、こうじの米が蒸しあがった蒸気の音かな。
その街その街の音や景色がたくさんあるんだな。
まだまだ見てみたい、聞いてみたい。

富士山の麓のほうは織物の街その、
ハタオリ街にも、響く音があるそう。
この街に響く音はどんな音だろう。

ハタオリマチノキオク from Hideaki Hamada on Vimeo.

この記事を書いた人 五味 洋子

発酵兄妹(妹)三兄妹の末っ子として生まれ、高校卒業まで甲府市で育つ。東京農業大学醸造科学科を卒業後、2009年ライフスタイル提案会社に就職。社員食堂の立ち上げや、新規事業部で商品企画を担当。2013年山梨へUターン。2014年五味醤油入社。六代目を務める兄仁と二人三脚で奮闘中。WEBマガジン〔大人すはだ〕コラム連載。YBSラジオ〔発酵兄妹のCOZYTALK〕出演中。