手前みそウィーク

by 五味 洋子

みそ仕込みのピークです。
この2週間で、10日間16回のみそづくり教室をしています。お声掛けありがとうございます!!KANENTEの工事が間に合わず、急な会場変更にも関わらずご対応いただき、感謝の気持ちでいっぱいです。
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みそ仕込み自体は、毎回同じことをするのですが、そこに集う人が違うだけで場の空気が毎回違い、私自身も楽しませてもらっています。そこで感じたことをいくつか

手前みそする人に悪いひとはいない

仮説ですが、約2年手前みそ教室をしていて思ったこと。
手前みそ教室は、毎回材料を用意して、持っていくのですが、12月のとある教室にて。こちらのトラブルで煮大豆が半量しか用意できないという大事件が起きました。仕込み予定量に対して、半分の材料しかないのです!!!大豆は、前日から洗い水につけるので、不足分を急遽補うことは、不可能。予定していた量の半分しか仕込みができないので、残りの半分はすでに出来上がっている製品を渡して、予定の量になるようにと、謝罪をしながらお願いすると、
ひとつ返事で「いいですよ〜。」「すぐ食べられるおみそがもらえるなんてラッキーです〜」と。100パーセントこちら側の不手際なのに快く受け入れてくださったのです、、、、その際ご迷惑をお掛けしたみなさん本当にすみませんでした。以後このようなことがないように気をつけるとともに、みなさんのような人に私もなりたいと強く思いました。
そんな大事件から1月経ったある日、おみそを買いにきたお客さん。なんとそのトラブルがあったみそ教室に参加してくださった方で、その際に渡した製品みそがおいしかったので、とリピートしに来てくれたのです。なんてことでしょう。。。。
みそは買うことも、できるのに、わざわざ手前みそしてくれる人は、どんな人なんだろうと。
きっとじっくり待てる人なんだな〜と。そしてみそ(菌)を育てるので、自然と調和できる人なのではないかな〜と。ちょっと大げさかもしれないけど、そう仮説をたてています。だって、毎回手前みそ教室に参加してくれる人っていい人なんだもの。世の中みんな手前みそをすれば、世界はもっと平和になるんじゃないかって割と本気で思っていたり。
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みそづくりは最高のコミュニティだ

先日のみそづくり教室で、4人で1つの作業台を囲っていたのですが、過去に自分の家族や近所の人と手前みそづくりをしていた思い出話に花が咲いていました。煮大豆をつまみ食いした話や、みそ蔵でかくれんぼをした話、なんだか人が集まってうれしかったのよ〜と皆嬉しそうに。手前みそ文化がもっと盛んだったころは、冬になったら集落や近所の人が集まって、「この季節がきたね〜」とみそを仕込んでいたんだろうな。その文化が少しでも残っていて、ママさんグループだったり、婦人部の会だったりで声をかけてくれるんだよな。

一人でも仕込めるけど、皆と口と手を動かしながら作業するのって楽しいですもんね。なんか、そうゆう場をいっしょにつくるお手伝いができていることが、うれしかったりもする日々です。いつも気づきをありがとうございます。
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そして、何より嬉しいのは、自分で仕込んだ手前みそがおいしかったから、また作るというリピーターさんが多いこと。
手前みその完成は約半年後、完成まで立ち会えずみなさんの食卓に手前みそが並んでいるのかまではわかりませんが、リピートしてもらえるってことは、そうゆうことなんだよな。うれしいな。明日は手前みそウィークの最終日、明日もがんばろーっと。

この記事を書いた人 五味 洋子

発酵兄妹(妹)三兄妹の末っ子として生まれ、高校卒業まで甲府市で育つ。東京農業大学醸造科学科を卒業後、2009年ライフスタイル提案会社に就職。社員食堂の立ち上げや、新規事業部で商品企画を担当。2013年山梨へUターン。2014年五味醤油入社。六代目を務める兄仁と二人三脚で奮闘中。WEBマガジン〔大人すはだ〕コラム連載。YBSラジオ〔発酵兄妹のCOZYTALK〕出演中。