「甲府のまちのみそ屋」

明治元年より味噌、醤油の製造を始め、150余年にわたって醸造業を営んでいます。 社名は「五味醤油」ですが、現在醤油の製造は止め、味噌のみ醸造しています。家庭的な小さな会社だからこそ、昔ながらの製法にこだわり、目の届く範囲で天然醸造を行っています。 日本全国どこに行っても、同じコンビニエンスストアやスーパーがあり、簡単に同じものを手に入れることができます。 同一化、簡素化の食品の流れの中で、発酵食品は各地の独特な製法で仕込まれ、その種類は多岐にわたり、地方色豊かな食文化を実感させるものです。一口に味噌といっても、1週間で製品化するものもあれば、3年かけて醸造するもの様々です。 この奥行きの広さゆえに、小さな会社でも可能性があり、存在意義があると確信しています。

木桶仕込みの天然醸造味噌

創業時から変わらぬ「甲州みそ」を製造しています。味噌の原料は大豆、こうじ、塩ですが、用いるこうじの種類によって分類が変わります。「甲州みそ」は米と麦2種類のこうじが入ることが特徴です。また、昔ながらの木桶で製造することで、そこに住み着いた発酵菌が風味を醸し出しています。発酵を止めていないこうじが生きた味噌なので、時間が経つにつれ、味わいが増す天然手作り味噌です。

目の届く範囲で手作りするこうじ

日本の伝統的な発酵食品の要である「こうじ」はすべて自社の手作り。昔ながらの製法で、丁寧に目の届く範囲で製造します。味噌だけでなく、こうじも小売していますので、自家製発酵食品づくりのお手伝いもしています。こうじの特徴は、甘みと旨みどちらも兼ね揃えていること、そして米と麦それぞれのこうじを製造していることです。五味醤油という名前の「みそ屋」であり、実は「こうじ屋」でもあります。

発酵文化を伝える

自社のこうじ材料にした「手前みそづくり」の普及活動にも力を入れています。幼稚園保育園の子どもたちやそのお母さん、学生さんや、公民館の催しまで、世代を越えた様々な人たちと一緒に体験すること大切にしています。
味噌や様々な食の体験を通して、発酵文化の素晴らしさを語り続ける「まちのみそ屋」でありたいと願っています。