手段が目的になっていないか?

by 五味 仁

市場志向と製品志向と似ている様な話。
生活用品のプロダクトデザイナーさんと話す機会があった。
デザイナーはデザインの力(領域)でなんとかしようとする。
たとえば売れない産地の焼き物 竹でできた手作りのザルとか入れ物
デザイナーだったらどうするか。
良い売れるデザイン=正解 としたいところを。
↑では無いときっぱり。彼は言う。
プロダクトを専門にしている方から言われると 矛盾を感じる反面 もっと先を見ているのだなと
なるべく新しいモノを生まないで、なんとかする方法を考えるのが デザイナーの求められるコト。
僕らの「てまえみそ」の活動は
彼にとても褒めてもらえた。新しい歌とダンスを作ったけど、
新商品の味噌を作って問題解決しようとしない姿勢が良いと。
彼は自分の作ったプロダクトをやり直す(マイナーチェンジも含む)事したくないし、なるべく新しいモノを作りたくないとも言っていた。
デザイナーなのにね。
たぶん本気のプロダクトデザイナーだかろこそマイナーチェンジもリニューアルも嫌なのだ。
ここから僕の独り言
世の中モノであふれているので、潔く無くなる産地があっても良いと思う。
無理やり海外に売るのも違う気がするし。
平川さんの「消費をやめる」を読み直して 気になったフレーズ
仕事はしたくないけど 借金あるから やめられない。
将来を見据えて自分の関わってる仕事が衰退するのがわかっているなら
現状借金が無い状態だったら、やめてのんびりするもありかななんて思う。
1950年代 人気ランキング職業は 炭鉱と林業 一つは無くなってもう一つもピンチ。

この記事を書いた人 五味 仁

五味醤油六代目/発酵兄妹(兄)。東京農業大学にて醸造と経営を学び、卒業後、タイの醤油メーカーに就職。「味噌屋の息子だから味噌が作れるだろう」と安易な理由で大抜擢され、味噌製造と調味料(ソース/たれ)の開発を担当。3年間勤めたのち、五味醤油にカムバック。「手前みそ」を広めるために日々奮闘中!サウナが好き。