原点回帰

by 五味 洋子

やまなしに帰ってくるまで、東京で会社員をしていた。
新卒で入って4年半はたらいたはじめての会社。たったの4年半だったんだ。。。


スキンケアの通販の会社で、物流部や、食堂事業部、お客様窓口、新規事業部と様々な部署で、モノをつくり、広め、販売していくこと、ファンをつくっていくことを経験させてもらった。わたしの社会人の基礎をこの会社で築かせてもらった。

そして昨日は久々に会社の社員食堂に。
立ち上げ当初から、わたしの実家ということもあって五味醤油のみそを使ってくれていたけど、今後は全国ないろんなみそを試すということで、これまでのお礼のご挨拶に。


社員食堂は、木のぬくもりたっぷりのとても暖かな空間。靴を脱いで裸足で床を歩きます。
この食堂で提供されているごはんは、定食1種類のみ。
おうちでお母さんが子どものためにつくるごはん『母めし(ははめし)』を食べることができます。
この食堂にプロのシェフはおらず、。地元のお母さんスタッフがごはんをつくっています。
だから、食堂のごはんはあたたかくて『ほっ』とする毎日たべたいお母さんの味なのです。
ほっと落ち着く家庭料理が仕事で疲れたからだを癒してくれて、当時はお昼ごはんが本当に楽しみで楽しみで。小学校の給食のように、1週間のメニューをなめるようにチェックしていたなー。
約3年半ぶりにドキドキしながら食堂に行ったけど、懐かしい顔がたくさんで胸がいっぱいに。SNSが身近にあるから、様子は分かるけど、やっぱり自分の足で出向くこと、その空気を吸うことって大事だな。
日々の営みをじっくり重ねていくこと。
ほんとうの豊かさは自分のすぐ近くにあること。
丁寧に真摯に伝えていくこと。今わたしの軸にあるものはここで培ったと思う。わたしの原点。そんな原点に還っておいしいごはんをたべてチャージ。そしていろんな思い出がフラッシュバック。

自社農園の米、近くの畑の野菜、府中のなっとう、自家製ヨーグルト、やまごみそのみそ汁。
ごちそうさまでした。
って、4年前と成長したことって、高速道路を一人で運転できるようになったことくらいかも。あと人前で踊れる度胸とかそのくらいか。
まだまだできることはあるはず。少しずつ丁寧にたのしくね。

この記事を書いた人 五味 洋子

発酵兄妹(妹)三兄妹の末っ子として生まれ、高校卒業まで甲府市で育つ。東京農業大学醸造科学科を卒業後、2009年ライフスタイル提案会社に就職。社員食堂の立ち上げや、新規事業部で商品企画を担当。2013年山梨へUターン。2014年五味醤油入社。六代目を務める兄仁と二人三脚で奮闘中。WEBマガジン〔大人すはだ〕コラム連載。YBSラジオ〔発酵兄妹のCOZYTALK〕出演中。