夏の思い出2021
なんだか楽しげなタイトルですが、
別に楽しい話になる予定ではありません(汗
2021年も昨年に引き続きコロナと共に過ごした夏となりました。
そんなコロナと過ごした夏の記録としてブログを残します。
お盆休みに差し掛かった8月のこと、新型コロナウィルスの感染者が山梨県内で急増し、緊急の特別要請が発令され、その後「まん延防止等重点措置」へと移行されました。
これまで山梨近郊では「まん防」に伴う「禁酒令」がありましたが、山梨では1回目の緊急事態宣言後は初めてのこと。県内の飲食店はほぼ休業状態になりましたが、五味醤油は日用品を扱う食品店などで、通常通り営業をしていました。
世の中休業できない仕事だらけ
週に1度甲州市の農家の友人が個人用に野菜を販売しに来てくれていましたが、コロナの煽りを受け、出荷と販売を中止すると連絡がありました。(飲食店さんに販売に行くルートのついでに来てくれていました)
野菜の成長は、人間では調整できません。
売り先がお休みになったから、「待って」は野菜には通用しません。
「まん防」中の1ヶ月の間、これから収穫販売する予定だった野菜たちが急に行き場を無くしてしまうことになったのです。
手塩にかけて育ててきた野菜が…
ということでお節介みそ屋が立ち上がりました。
みそ屋で野菜販売
朝獲れ新鮮野菜を引き取り、店頭販売をスタート。
緊急だったので、主にInstagramにて告知をしました。
するとInstagramを見て買いに来てくださる方や、みそを買いに来てたまたま野菜を買ってくださる方、「無農薬野菜販売」のポスターを見て店によってくださる方など、野菜は瞬く間に完売しました。
みそ屋で野菜が販売していても、誰も違和感を抱きません。
農家さんの力になりたいと意気込んで来てくださる方もいれば、前情報もなくそこに野菜があったから買ったという方もさまざま。
そしてそんな野菜をレスキューしてたいたところ…
次はブドウがやってきました。
みそづくりや普段こうじでお世話になっている山梨市の老舗旅館「岩下温泉」さん。ここの女将のご主人が切り盛りする果樹園でもコロナによる観光客の激減と8月の長雨の影響による玉割れで、ブドウの出荷に大打撃を受けていました。
そこで、これまた急遽ブドウを引き取り、理由をお伝えして「訳ありブドウ」の販売を始めました。
(みそ屋に並ぶ野菜とブドウの様子、写真撮り忘れたー!)
予定より少し小粒になってしまった巨峰や、玉割れしてしまい房で出荷が難しくなった藤稔やシャインマスカット。正規な販売ルートで出回るには難しくなったものでも、しっかり経緯をお伝えすれば買う方は皆喜んで買ってくださいます。もちろん味も美味しいので。
こうふのまちのみそ屋さん
自分たちのことを「まちのみそ屋」さんと名乗っていますが、今年の夏はそれを再認識する良い機会となりました。
まちの商店だから、野菜もあればブドウもある。
ちょっとイレギュラーなことでしたが、無理なく、通常営業の延長戦でできたことも、地場の真面目にしっかりつくったもの、普段からコミュニケーションが取れていたからこそ。
困ったときはお互い様。
まだコロナ前の暮らしには戻れませんが、今の制限された暮らしのなかで、工夫したり協力しながら、まちで商いを続けていけたらと改めて。2021年の夏の備忘録として。
この記事を書いた人 五味 洋子
発酵兄妹(妹)三兄妹の末っ子として生まれ、高校卒業まで甲府市で育つ。東京農業大学醸造科学科を卒業後、2009年ライフスタイル提案会社に就職。社員食堂の立ち上げや、新規事業部で商品企画を担当。2013年山梨へUターン。2014年五味醤油入社。六代目を務める兄仁と二人三脚で奮闘中。WEBマガジン〔大人すはだ〕コラム連載。YBSラジオ〔発酵兄妹のCOZYTALK〕出演中。