寄り添う
こうじと暮らす冬支度ワークショップ
全3日間、2日目が終わりました。
やまなし県外からもたくさんの方がKANENTEに足を運んでくれています。ありがとうございます。
1日目のうまみの会では、ひしお麹をつくって、どんな風に食べたらおいしいかをみんなで考えました。2日目はのあまみの会は、米こうじでつくる甘酒のつくりかたや、料理にアレンジする方法などをレクチャー。こうじをふんだんに味わいました*
参加者のみなさんが、「これと合わせたらおいしいよね!」「あ〜あのアレンジに合うかも!」なんて、頭のなかで「おいしい」を想像しながらアレコレと思考している姿が印象的でした。料理って素材と調味料の組み合わせで、その素材の良さを引き出すこと。だからその本質さえわかれば「おいしく」なるはず。
「おいしい」が頭のなかだったり、口のなかに広がっている時、人は笑顔になっている。そんな喜びを誰かと共有したくなるから、人と食卓を囲むとたのしいんだな。みそ屋としてこれからも誰かの「おいしい」にそっと寄り添うお手伝いができたらうれしいな。
手前みそ教室を開催したり、日々お店番をしていて思うことは、何かを発酵させようとする人に悪いひとはいないんじゃないかってこと。KANENTEに来る人も、ワークショップに参加する人も、お店に足を運んでくれるひとは、みんなこうじを育てようとしたり、みそを作ろうとしたり。目に見えない菌との暮らしを楽しもうとしたり、自然の摂理に合わせて暮らせていて、暮らしだけじゃなくてその人自身も良い方向に醸されているような。そんな気がしてならない。「食」という漢字は「人」が「良」くなるって書くけれどまさにそうだなと常々思う。
わたしはKANENTEの管理人のような存在。管理といっても、イベントを企画したり、日程を調整したり、みそづくり教室をしたり。ワークショップで、同じ作業をみんなですると参加者さん同士が仲良くなってその場の雰囲気がどんどんよくなっていく。場が醸されていくのは、そこに集う人があるからこそ。これからもKANENTEでいい時間が過ごせるように、訪れた人の暮らしにそっと寄り添えるそんな場をつくっていきたいな。
そういえば、 KANENTEにこれまで来てくれた最高齢記録が更新された。手前みそ教室に来てくれた85歳のおばあちゃまだったけど、昨日93歳のおばあちゃまが甘酒を学びに来てくれました。そんな人生の大先輩に教えるなんておこがましいし、むしろ教わりたいことだらけ。学びって一方通行じゃなくて相互通行でするものなんだろうーなー。いくつになってもインプットしていたいもの。よーし、今日もがんばるぞーと。
これからの自分の日々も良い方向に向かっていけますように。とこの場をかりて新たなステージへの願掛け。。。。
この記事を書いた人 五味 洋子
発酵兄妹(妹)三兄妹の末っ子として生まれ、高校卒業まで甲府市で育つ。東京農業大学醸造科学科を卒業後、2009年ライフスタイル提案会社に就職。社員食堂の立ち上げや、新規事業部で商品企画を担当。2013年山梨へUターン。2014年五味醤油入社。六代目を務める兄仁と二人三脚で奮闘中。WEBマガジン〔大人すはだ〕コラム連載。YBSラジオ〔発酵兄妹のCOZYTALK〕出演中。