麦こうじ活用法(甘酒編)

by 五味 洋子

甲州みそという「米こうじ」と「麦こうじ」2つのこうじをつかったみそを製造している五味醤油。
これまで、甘酒づくりには「米こうじ」をおすすめしてきましたが、今回は「麦こうじ」でつくる甘酒の作り方を紹介します。

米こうじでの甘酒の作り方は【コチラ

麦こうじ甘酒

大麦特有のぷちぷちとした食感が特徴的なので、「飲む」というよりは、シリアルのように「食べる甘酒」です。甘さは「米こうじ甘酒」ほどはないですが、ほんのりした優しい甘みを味わうことができます。そして何よりも食物繊維をたっぷりとることができるのが「麦こうじ甘酒」

麦こうじ甘酒の作り方

「麦こうじ甘酒」も「米こうじ甘酒」と作り方は同様です。

【用意するもの】
麦こうじ 200g
水    400〜500ml(この日は400mlでつくりました)
保温機能のあるもの(今回はヨーグルトメーカー)

【ヨーグルトメーカーでの作り方】
1)揉みほぐした麦こうじと水をヨーグルトメーカーに入れて、混ぜ合わせる。
2)60℃で6時間にセット
3)6時間待てばできあがり

炊飯器の保温で作る場合は
予め65℃のお湯を用意して、こうじと合わせて、6時間保温します。炊飯器の種類によりますが、蓋はせずに布巾を載せておきます。途中かき混ぜながら温度も確認するようにしましょう。

【出来上がりの目安】
・こうじの芯がない
・甘味を感じる

甘酒作りのポイントは、こうじ菌が甘みをつくる温度をキープすること。
温度は、低過ぎても高すぎてもダメ。60℃がこうじがもっている酵素が1番働いてくれるいい温度。低いとしっかり働くことができず、高すぎると菌は死んでしまいますので、温度管理がとても大切です。

食べる甘酒

左)ミキサーにかけた甘酒
右)ミキサーにかけてない甘酒

「米こうじ甘酒」はミキサーにかけてこうじの粒を無くして、飲んだほうが口当たりもよくおすすめですが、「麦こうじ甘酒」は粒のまま食べることをおすすめします。(ミキサーにかけると見た目もあまりよくなく、大麦の黒条線が残り口当たりがよくありませんでした)

食べ方としては、シリアルやぜんざいのようなイメージです。実際に「麦こうじ甘酒」と牛乳を合わせて食べたところ、おいしくてびっくりしました。

子どものころ「ムギムギ」という食物繊維たっぷりの小麦シリアルのお菓子に牛乳をかけて食べていましたが、「麦こうじ甘酒」はまるで、「ムギムギ」の味わいです。砂糖不使用の「ムギムギ」です。

と、言ったところで、「ムギムギ」を知っている人が周りにいなくて共感を誰からももらっていません。涙

麦こうじ甘酒の食べ方

原料由来の食物繊維や、発酵することで得られる栄養成分はもちろん、
大麦のぷちぷちとした食感を楽しんでみませんか?

▶︎そのままもぐもぐ食べる。
ヘルシーかつ食物繊維たっぷりのおやつ、朝ごはんとしていいかもしれません!

▶︎牛乳と食べる
先ほどもあげたようにシリアルのように食べるのもおすすめです。砂糖不使用発酵シリアル。

▶︎ぜんざいのように食べる
白玉といっしょに食べるとボリュームもアップして発酵甘味として食べられます。

▶︎ぷちぷち食べるドレッシング
胡麻油や、醤油、酢と合わせて食べるドレッシングにするものおすすめですよ。

現状「麦こうじ甘酒」と呼んでいます。
「甘酒」という固定概念に縛られてしまいそうなので、何か違う呼び方ができたらいいなーと思いつつ、製法としては「甘酒」なので、「麦こうじ甘酒」と呼ばせてもらいますが、何かいい名前のアイディアがあったら募集します〜!

おまけ 「合わせこうじ甘酒」

左:ミキサーにかけたもの/右:そのまま

「米こうじ甘酒」は米こうじ100%、
「麦こうじ甘酒」は麦こうじ100%、
そして、今回米こうじと麦こうじを入れる「合わせこうじ甘酒」もつくってみました。

作り方は「米こうじ甘酒」「麦こうじ甘酒」と同様です。
今回は「米こうじ:麦こうじ 1(100g):1(100g)」で作りました。

米こうじの甘さととろみ、そして麦の食感どちらも味わうことができます。

こうじ200g、水400mlの基本の分量であれば、
こうじの比率を好みでアレンジしても楽しいですよね。

夏こそ甘酒

「米こうじ甘酒」「麦こうじ甘酒」「合わせこうじ甘酒」
飲む点滴と言われる甘酒。

江戸時代、夏になると「甘酒屋」が街を走り、民衆は夏バテ予防に飲んでいたそうです。約400年も続く飲む点滴の文化。今年はこうじの種類を変えていつもと違う甘酒で夏を乗り越えてみませんか?

五味醤油で買えます

麦こうじ(400g)

389円(税込)

この記事を書いた人 五味 洋子

発酵兄妹(妹)三兄妹の末っ子として生まれ、高校卒業まで甲府市で育つ。東京農業大学醸造科学科を卒業後、2009年ライフスタイル提案会社に就職。社員食堂の立ち上げや、新規事業部で商品企画を担当。2013年山梨へUターン。2014年五味醤油入社。六代目を務める兄仁と二人三脚で奮闘中。WEBマガジン〔大人すはだ〕コラム連載。YBSラジオ〔発酵兄妹のCOZYTALK〕出演中。

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